かつて小さいころにピアノを習った経験のある人も、全く経験のない人も大人になった今、思ったように自由にピアノを弾けたらいいなって思う人は多いと思います。
最近大人になってから楽器を習う人も増えていますよね。
でもピアノはその中でも習熟に時間のかかる難しい楽器だと思っている人も多いかもしれません。
実際、クラシックピアノの場合、子供のころにピアノを始めた人が、本当にピアノを弾きこなすまでのは数年~10年ほどかかる場合は少なくありません。
じゃあ、ピアノってそんなに難しい楽器なの?
子供のころから練習しなければだめ?
決して、そんなことはありません。
音を出すのすら難しい楽器も多いけれど、ピアノって誰でも音を出せるんですよ。
左右の腕で別々の動きをするのが無理という人もいます。
もちろん難しいのですが、要は慣れです。
車の運転は、大人になってからでも誰でもできるようになりますよね。
それと同じだとも言われます。
クラシックピアノを仕事にしてプロになろうと思ったら、おそらく子供のころから教育を受けないとならないのではないかと思うのですが、ジャズやその他の分野で、大人になってからピアノを始めて、プロになった人は意外と多くいるのです。
弾いて楽しむというのなら、努力次第で誰でも可能なのではないかと思っています。
知り合いのピアノの先生で、大人、しかもほとんどピアノ経験のない人を専門に教えている方がいます。
実は夫が習っているので毎回発表会に行くのですが、生徒の皆さんは驚くほどの進歩、上達ぶりなので、いつも感心してるのです。
その先生は無茶ぶりで有名で、基本を一から教える(ある意味つまらないかも)より、難しいけれど本人が弾きたい曲をいきなり課題にして弾かせてしまうというスタイルの教え方なのです。
ピアノの初心者にいきなりショパンの「幻想即興曲(知っている人は知っている難曲です)」を弾かせてしまうという具合なんです。
その課題を与えられた生徒さんは、何とか楽譜を読みこなし、間違えながらも曲を最後まで弾き切りました。
これ、結構すごいことなんですよ。
普通は楽譜を読むことだけでも大変なのですから。
だからと言ってスパルタではなく、要は自分の弾きたい曲なら、難易度に関係なく何でもトライしてみようという方針なのですね。
好きな曲を弾く、これは大事なポイントです。
モチベーションが違います。
他の生徒さんたちも、皆驚くほど成長しており、先生も「人間の可能性ってすごいなと思う」とよく口にされています。
その教室ではクラシックを弾いても、他分野の曲を弾いても何でも自由なんですが、最近は弾き語りがブームのようです。
左右の手を別々に動かすだけでも大変なのに歌までってすごいですよね。
でも弾き語りができたらうれしいなと思いませんか?
そういえば以前ETV 「ヘウレーカ」の「ピアノで脳の働きが良くなるってホント!?」という番組を見たのですが、65歳でピアノを始めて5年間で30曲以上をマスターしているという男性が登場していました。
素敵なショパンを。見事に弾きこなしていました。
年齢はあまり関係ないんですね。
先のピアノ教室の生徒さんたちも大体は40歳以上なんですよ。
そんなわけで大人のピアノ、強くお勧めしちゃいます。
ちなみに私自身はどうかというと、かつてちょっとだけ習っていたというレベルです。
現在は独学で多少練習しています。
楽譜も昔に比べて読めなくなっており、指も動かなくなっているのですが、何十年も前に弾いた曲はちゃんと覚えているのですね。
いわゆる「指が覚えている」ってやつで、暗譜した曲はちゃんと脳のどこかに格納されており、引き出すことはできるのです。
不思議なものだなぁと自分ながら思います。
テクニック的にはもっと練習しなくてはいけませんけれどね。
ピアノを弾いてみたい方はどうしたらいいかというと、まずピアノを買いましょう。
先の生徒さんたちの中には、ショップのピアノで毎日少しづつ練習していたなんていう剛の者もいますが、やっぱり家で練習できる環境は大切です。
幸いにしてピアノは昔ほど高くありません。
10万円ほどの電子ピアノでも機能的には練習するのに十分です。
というか防音の心配をせずにヘッドフォンを付けて練習ができるので、むしろ電子ピアノの方がおすすめかもしれません。
もちろんお金を出せばいくらでもよいピアノは手に入りますが。
そして簡単な曲から始めてみるのがセオリーですが、とにかく好きな曲を選んで、弾いてみましょう。
独習でも大丈夫だと思いますが、一応先生について習った方が、モチベーションが保たれますし、上達も早いのではないかと思います。
先の「ヘウレーカ」の「ピアノで脳の働きが良くなるってホント!?」で述べていた上達のコツは、以下の3つです。
1.好きな曲を弾く
大人のピアノは無理して練習する必要はありません。
モチベーションが上がる好きな曲を弾くのが一番です。
また、よく知っている曲の方が、間違えてもミスに気が付きやすいのではないでしょうか。
2.休憩をとる
一つの曲を練習したら、ある程度休憩した方が記憶が定着しやすいようです。
これはどんなトレーニングにも通じることかもしれませんね。
3.イメージトレーニングをする
多くの有名スポーツ選手が取り入れている方法ですね。
イメージトレーニングをしている時、体の動きは実際にピアノを弾いている時と同じように動くのだそうです。
ある程度曲を覚えたら、指だけ動かしてイメトレをしてみるのも有効な方法のようです。
必ずしもピアノじゃなくてもよいのですが、大人になってから楽器を学ぶと、人生がより豊かになるような気がします。