節分の意味と由来
節分と言えば2月3日で豆まきをする日?
2020年の節分は2月3日です。
ここ30年ほどは2月3日なのですが、必ずしも毎年同じ日ではありません。
2021年は立春が2月3日なので、その前日の2月2日が節分になります。
節分(せつぶん、せちぶん)は、本来は、年に1回だけでなく4回あるって知ってました?
節分には文字通り「季節を分ける」という意味があります。
季節の始まりの日は年に4回ありますね。
二十四節気という1年を24分割した暦の中で、立春(りっしゅん)・立夏(りっか)・立秋(りっしゅう)・立冬(りっとう)と呼ばれます。
そして節分はそれぞれの季節が始まる日の前日のことで、まさに季節を分ける日ですね。
冬の最後の日=大寒の最終日=立春の前日
春の最後の日=穀雨の最終日=立夏の前日
夏の最後の日=大暑の最終日=立秋の前日
秋の最後の日=霜降の最終日=立冬の前日
本来、この4日が節分というわけです。
これらの季節の変わり目の日に、邪気を払うため様々な行事が行われてきました。
現代では立春の前日のみが「節分」と呼ばれるようになっています。
なぜかというと、旧暦では立春は、一年の始まりと認識されていたので、特別の意味合いがあったようです。
つまり立春の前日の節分は、大晦日という位置づけでもあったのです。
江戸時代ごろから他の節分はすたれていったようです。
参考:二十四節気
春
立春 ・ 雨水 ・ 啓蟄 ・ 春分/春分の日 ・ 清明 ・ 穀雨
夏
立夏 ・ 小満 ・ 芒種 ・ 夏至 ・ 小暑 ・ 大暑
秋
立秋 ・ 処暑 ・ 白露 ・ 秋分/秋分の日 ・ 寒露 ・ 霜降
冬
立冬 ・ 小雪 ・ 大雪 ・ 冬至 ・ 小寒 ・ 大寒
豆まきの意味と由来
なぜ、節分には豆まきをするのでしょうか?
昔、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じるとされていました。
そして邪気を祓うために、中国から伝わった「追儺(ついな)」という行事が行われていました。
追儺(ついな)とは、古代中国の宮中で新年の前日に行われていた行事です。
それが日本に伝わり、平安時代には宮中行事として行われるようになりました。
最初に行われたのは文武天皇(もんむてんのう)時代の慶雲3年(706年)という記録がありますから、奈良時代より昔ですね。
追儺、あるいはおにやらいともいう儀式は、弓矢で鬼を追い払う内容から、節分の豆まきの原型と考えられています。
ただし、当初豆まきという風習はありませんでした。
豆まきは、もともと中国の明時代の風習です。
陰陽道で行われる「方違え(かたたがえ)」に「豆打ち」という儀式があります。
「豆打ち」とは、節分の日に翌年の恵方(縁起の良い方向)に宿をとるというものから発しています。
この風習が簡略化され、家の中の恵方の方角の部屋に豆をまいて、その部屋に移るといった儀式になりました。
「豆打ち」と追儺(ついな)が融合して、節分の豆まきの風習につながっていったのです。
豆まきの風習が定着したのは室町時代と言われています。
さらに庶民の間に広まったのは、江戸時代のことです。
豆まきはなぜ大豆で行うのか
まず、豆まきの意味は、諸説ありますが、「魔の目(魔目=まめ)」にまめをぶつけて「魔を滅する」から「魔滅(まめ)」になったという語呂合わせ的な説が一般的です。
日本では穀物には霊力があり、邪気を払う力があると考えられていました。
大豆は五穀(米・麦・ひえ・粟・豆)の一つで、やはり霊力があるとされます。
大豆は一般的に食されており、手に入りやすかったため広まったものと思われますが、現代でも落花生など大豆以外の豆類を使用している地域もあります。
節分の際にまく大豆は、「福豆」と呼ばれ、炒った大豆が使用されます。
大豆を炒って使うのは、豆から芽が出てしまうと縁起が悪いため。
芽が出るということは「魔芽(魔が芽生える=災難が発生する)」という意味に通じるので恐れたようです。
大豆を炒れば、発芽しないだけでなく、「魔目を射る」「魔を滅する」という意味を持つと考えられました。
昔の日本人は(今も?)語呂合わせが大好きですね。
また、福豆を入れる枡は「福枡」と呼ばれます。
福豆は数え年の数だけ食べますが、食べることによって鬼退治が終わったことになります。
病気にならず健康でいられると言われています。
鬼の姿の理由
鬼が牛の角を持ち、虎のパンツをはいているのは、「鬼門」という方位の呼び方に由来します。
「鬼門」とは、鬼が出入りする忌むべき方角とされ、北東にあたります。
これを干支の十二支に当てはめますと「艮(うしとら)」、すなわち「丑(うし)」と「寅(とら)」の間の方角に相当します。
このことから鬼は「牛(丑)」の角を持ち、「虎(寅)」のパンツを履いた姿で表現されるのです。
渡辺さん、坂田さんが豆まきをしなくてもよいわけ
わたなべ姓を持つ人は、豆まきの必要がないのだそうです。
渡辺、渡部、渡邊、渡邉すべてのわたなべさんです。
サカタさんも同様。
平安時代、京都の大江山に「酒呑童子」という鬼を中心とした鬼の一味がいて、悪事を働いていました。
酒呑童子たちを討伐すべく源頼光と、部下の「頼光四天王」という精鋭の討伐隊が鬼退治に向かいました。
その時大活躍をしたのが、渡辺綱(わたなべのつな)、坂田金時(さかたのきんとき)の二人です。
鬼の手をたたき切った渡辺綱のあまりの強さに恐れをなした鬼たちは、以後わたなべさんとは、関わらないことにしたのだとか。
坂田さんも同様でしょう。
ちなみに坂田金時の幼少時代が、あの「足柄山の金太郎」です。
恵方巻
2020年節分の恵方は、西南西です。
恵方とは、歳徳神(としとくじん 年神様の別名)のいる縁起の良い方角です。
恵方巻は、その年の恵方を向いて丸ごと食べると願い事が叶うとされる太巻きのこと。
大阪発祥で関西地方の風習です。
関東の方々はあまり知らなかったのではないでしょうか?
現在は全国的に広がり、どのスーパーやコンビニでも見かけるようになりました。
恵方巻きの具は、「きゅうり」「高野豆腐」「かんぴょう」「穴子orうなぎ」「椎茸」「卵」「でんぶ」の七種類だそうです。
七福神にちなんでいるのですね。
福を逃さないよう、恵方を向いて丸ごと一本食べきるとよいとされています。
ちょっと女性には多すぎるような気もしますね。
今年もよい節分をお過ごしください。
幸せが訪れますように。